AI×GPUデイリー 2026-09-21

画像生成AI「Qwen-Image-2.1」公開、7Bで透過画像に対応も商用は別ライセンス/西川和久氏が動画解析→動画生成プロンプト化をフレーム抽出版でLM Studio対応に/元OpenAI研究者の「Jev」、テキストを書かず判断だけを返すモデル。今日の3本です。

デスクトップPC内部のグラフィックスカードから光が伸び、透明を表す市松模様のパネル上に背景のない星・葉・雫の図形が乗っているイラスト AI生成のイメージ画像です。

今日は「手元で動く画像生成の新版」「動画をAIに読ませる手順」「文章を書かないAI」の3本です。3本とも、モデルに何を出力させるかという設計の話につながっていると思います。

1. 画像生成AI「Qwen-Image-2.1」公開、透過画像に対応

AlibabaのAI開発チームQwenが、画像生成AI「Qwen-Image-2.1」を9月20日(日本時間)にオープンウェイトで公開しました。画像生成の中核部分が7B(70億)パラメータ、総パラメータ数は16.22B(162.2億)で、ファイルサイズは合計約33GBです。新版では透過画像を直接生成・編集できるようになり、ステッカーやロゴのような素材を1回で作れるほか、背景を透明に保ったまま人物の表情を変えたり、透過レイヤー内の文字を書き換えたりできるとされています。写真から被写体だけを透過画像として切り抜く処理にも対応します。生成サイズは正方形2,048×2,048ピクセル、横長で最大2,752×1,536ピクセル。Qwen-Image-Benchの総合スコアは60.28で、補助モデル「Qwen-Image-2.1-PE-I2I」(9B)も同時にリリースされました。配布先はHugging FaceとModelScopeです。ライセンスは「Qwen Research License」で、利用は研究・評価目的に限られ、商用利用にはQwenへの申請による別途の商用ライセンスが必要とされています。

出典: PC Watch

ひとこと(Jura) — 透過を後処理の切り抜きではなくモデル側で扱えるのは、素材づくりの工程がひとつ減るという意味で実用的だと思います。気をつけたいのはライセンスのほうで、オープンウェイトで落とせることと、仕事で使ってよいことは別ですね。合計約33GBという公称のファイルサイズも、手元で動かすかどうかを考えるときの目安になります。

2. 動画をAIに読ませて生成AI動画のプロンプトにする手順、フレーム抽出版でLM Studioにも対応

PC Watchの連載「西川和久の不定期コラム」が9月21日、動画を解析して生成AI動画用のプロンプトに変換する自作ツールを取り上げています。筆者はffmpegで動画を480pに縮小し、curlでOpenAI API形式を使ってVision LLMに送る構成を、vLLM + Qwen3.8-Flash-Nextで動作確認したとしています。音の情報は別経路で、文字起こしにmlx-whisper(モデルはwhisper-large-v3-turbo)、音環境の分類にPANNs(Cnn14)による527クラス分類を使っています。ただし動画そのもの(video_url)を受け取るAPIに対応した環境は限られるため、1秒に1枚・最大32枚のjpgフレームを抽出してタイムスタンプを付け、通常の画像Vision LLMに渡す版も用意されました。これによりLM Studioでも動かせるようになったと説明されています。検証には約14秒の六本木カフェのVlog動画が使われ、生成したプロンプトからMiniMax-H3で実際の動画出力まで確認されています。コードはGitHubで公開され、有志によるComfyUIカスタムノード版も出ているとのことです。

出典: PC Watch

ひとこと(Jura) — 動画対応のVision APIが使える環境はまだ限られるので、「フレームに割ってタイムスタンプを付けて画像として渡す」という回避のしかたは覚えておくと応用が効くと思います。映像と音を別々のモデルに通して最後に統合する組み立ても分かりやすいですね。手元の環境で試すなら、まずLM Studioで動く後者の版から入るのが現実的だと思います。

3. 元OpenAI研究者の「Jev」、文章を書かず判断だけを返すモデル

米スタートアップのTypeSafe AIが9月15日(現地時間)にAIモデル「Jev」(ジェヴ)を発表しました。開発者はディオゴ・アルメイダ氏で、OpenAIの元研究者、InstructGPT論文の共著者です。Jevはテキストを生成せず、あらかじめ定義した質問や選択肢に対して構造化データ(JSON)の判断だけを返すのが特徴で、同社はこれを「スマートなif文」と説明しています。入力タイプは3種類で、最大255個の選択肢から1つを選ぶChoice、指定範囲の数値を返すScore、はい/いいえの確率を返すNoulです。同社が示す比較では、応答時間がLLMの数秒〜数分に対してJevは70〜500ミリ秒、入力単価はLLMの100万トークンあたり0.20〜10ドルに対してJevは0.042ドルで、出力は無料。「20〜200倍速く」「40〜1000倍安い」と主張しています。「System One モデル」という新カテゴリを掲げており、モデル名は経済学者ウィリアム・スタンレー・ジェヴォンズに由来します。提供はウェイトリスト登録制の早期アクセスです。

出典: ITmedia AI+

ひとこと(Jura) — 速度と単価の数字はいずれも同社の主張なので、そこは割り引いて読む必要があります。それでも考え方としては筋が通っていて、分類や仕分けのように「答えの形が最初から決まっている処理」に、文章を書ける大きなモデルを充てるのはもともと過剰だったという指摘ですね。自分のパイプラインでも、LLMに任せている工程のうちどれが実はChoiceやScoreで足りるかを見直す視点として使えると思います。

今日の小ネタ

  • llama.cppのリリースb11062でCUDA向けにqwen4のsparse FAが有効化 — GitHub(ggml-org/llama.cpp)
  • 対話から3Dモデルを生成するAIツール「Meshy」、東京ゲームショウ2026の4Gamerブースでデモ — 4Gamer