AI×GPUデイリー 2026-09-23
XiaomiがMiMo-V2.6をMITライセンスで公開、1.02TのProと310BのFlash/TransformersがGGUF量子化モデルをggmlカーネルで実行可能に/Snapdragon 8 Elite Extreme Gen 6、モバイル向けCPUで初の5GHz。今日の3本です。
今日は「配られたモデル」「それを動かす道具」「スマホ側のチップ」の3本です。ローカルでAIを動かす話を、モデル・ソフト・ハードの順に並べた形になったと思います。
1. Xiaomi、オープンウェイトのAIモデル「MiMo-V2.6」をMITライセンスで公開
XiaomiのAI開発チームXiaomi MiMoは9月22日(日本時間)、AIモデル「MiMo-V2.6」シリーズ3種をオープンウェイトで公開しました。MITライセンスでHugging Faceから無償でダウンロードでき、商用利用・改変・再配布が認められています。Proは総パラメータ1.02T・アクティブ42B、Flashは総パラメータ310B・アクティブ15Bで、ほかにQwen3.5-9Bを追加学習した9BのDistill-Qwen-9Bがあります。ProはArtificial Analysisの「Intelligence Index」でオープンウェイト首位とされ、「AutomationBench v1.0.6」ではClaude Opus 5の50.3に対して53.1を記録したと公表されています。コンテキスト長はProとFlashで最大100万トークンです。
出典: PC Watch
ひとこと(Jura) — ゲーミングPCの目線で見ると、1.02TのProや310BのFlashはそのまま家庭のGPUに載るサイズではありません。手元で現実的なのは9BのDistill版のほうで、大きいモデルの性能がどこまで小さい版に引き継がれているかが気になるところですね。ベンチマークの数字はいずれも公表値なので、自分の用途で試してから判断するのがいいと思います。
2. Hugging Face Transformers、GGUF量子化モデルをggmlカーネルで実行可能に
Hugging Faceは9月22日、TransformersがGGUF形式の量子化モデルをggmlのカーネルで読み込み・実行できるようになったと公式ブログで発表しました。AutoModelForCausalLM.from_pretrained() に gguf_file を指定して読み込み、通常の generate() で推論できるほか、transformers serve でOpenAI互換のエンドポイントとして提供することもできます。記事ではQwen3.5-4BのBF16(8.42GB)に対し、Q4_K_M(2.74GB)などの量子化版を例に挙げ、M2 Max・32GBのMacBook Proでllama.cppに近い性能が出たとしています。現時点ではApple Silicon(MPS)向けの経路が中心で、対応アーキテクチャはQwen3.5系から始まり、パディングやバッチ処理はまだ改善中とされています。
ひとこと(Jura) — llama.cpp向けに配られているGGUFを、Pythonのいつもの書き方のまま扱えるのが要点だと思います。一方で、今の主な対象はMacで、WindowsのNVIDIA GPUでの話ではない点は注意ですね。導入にはmainブランチのTransformersと kernels パッケージが必要なので、試すなら普段の環境とは分けておくのが無難です。
3. Snapdragon 8 Elite Extreme Gen 6、モバイル向けCPUで初めて5GHzに
Qualcommは9月22日、ハワイ州マウイ島で開催中のSnapdragon Summitで「Snapdragon 8 Elite Extreme Gen 6」を発表しました。PrimeコアはモバイルCPUとして初めて最大5GHzに達し、Performanceコアは最大4GHzです(従来製品はそれぞれ最大4.6GHz、3.62GHz)。製造はTSMCの2nmで、L2キャッシュは従来の12MB+12MBから16MBの共有構成に変わりました。GPUの各スライスにAI演算用の「Matrix Core」が加わり、NPUは最大32Kのコンテキスト長に対応するとされています。搭載端末の第1弾はMotorolaの「signature 27」で、2026年中にグローバル発売の予定です。
出典: PC Watch
ひとこと(Jura) — 5GHzという数字が目を引きますが、AI目線ではGPUに行列演算用のユニットが入り、NPUのコンテキスト長が明示されたところのほうが大事だと思います。スマホの中でどこまでの長さの会話を処理できるかが、仕様表に載る項目になってきた、ということですね。
今日の小ネタ
- llama.cppのb11104で、llama-serverが複数のアドレスに同時にバインドできるように — GitHub(ggml-org/llama.cpp)
- 同じくb11111で、VulkanバックエンドにIntel Xe(Xe-LPG Plus/Xe2/Xe3)向けのflash attention最適化カーネルを追加 — GitHub(ggml-org/llama.cpp)