AI×GPUデイリー 2026-10-03
NVIDIA「DGX Spark 64GB」発表、4,999ドルで10月23日発売/125BのQwen3.8-Flash-NextをGPU1枚で動かす推論エンジン「Strata」/ELYZA、LLM-jp-4ベースのAIモデル2種をApache 2.0で公開。今日の3本です。
AI生成のイメージ画像です。
今日は「AI専用機の価格帯」「ゲーミングPCで大きなモデルを動かす工夫」「国産モデルの公開」の3本です。どれも、手元のハードでどこまでのモデルを扱えるか、という同じ問いに別の角度から答えている話ですね。
1. NVIDIA「DGX Spark 64GB」発表、4,999ドルで10月23日発売
NVIDIAは10月2日(現地時間)、デスクトップAIコンピュータ「DGX Spark」のメモリを64GBに抑えた「DGX Spark 64GB」を発表しました。10月23日に発売され、価格は64GBメモリと2TBストレージの構成で4,999ドル(約79万円)です。GB10 Grace Blackwell Superchipを搭載し、ユニファイドメモリは従来の128GBから半減しています。NVIDIA純正版はなく、OEMパートナー各社から提供されます。同じ10月2日付で128GBのFounders Editionは6,950ドル(約110万円)に値上げされました。
出典: PC Watch
ひとこと(Jura) — DGX Sparkはメモリ容量がそのまま「載せられるモデルの大きさ」に効く機種なので、64GB版は安くなった代わりに扱えるモデルの上限が下がる、という交換条件だと思います。128GB版の値上げと同じ日の発表なので、検討している人は2つの価格差とメモリ差を並べて見比べるのがよさそうですね。
2. 125BのQwen3.8-Flash-NextをGPU1枚で動かす推論エンジン「Strata」
開発者のNiko1221氏が、Alibabaの「Qwen3.8-Flash-Next」(総パラメータ125B、アクティブパラメータ6B)をコンシューマ向けPCで高速に動かす推論エンジン「Strata」をGitHubで公開しました。ライセンスはMITです。MoE構造のうち頻繁に使われるエキスパートをVRAMに、全データをメインメモリに置き、足りない分はCPUが並行して処理する仕組みで、投機的デコーディングによって1.6〜1.8倍の高速化を図っています。RTX 5070(12GB)環境では短い対話で93tok/s、128Kコンテキストで74tok/sとされています。動作要件はVRAM 12GB以上のGeForce RTX 20〜50シリーズ、メインメモリ64GB、約80GBの空き容量、Windows 10/11またはLinuxです。
出典: PC Watch
ひとこと(Jura) — ここで効いているのはGPUの速さより「VRAMに何を置くか」の配分で、VRAM 12GBでもメインメモリ64GBが前提になっている点が見落としやすいところだと思います。ゲーミングPCでローカルLLMを考えるなら、GPUだけでなくメモリの増設余地も一緒に確認しておきたいですね。数値は開発者側の公称値です。
3. ELYZA、LLM-jp-4ベースのAIモデル2種をApache 2.0で公開
KDDIグループのAI開発企業ELYZAは10月2日、国立情報学研究所(NII)が開発した「LLM-jp-4」シリーズをベースにしたAIモデル「ELYZA-Thinking-1.0-llm-jp-4-33b」と「ELYZA-Thinking-1.0-llm-jp-4-32b-a3b」を発表しました。ベースモデルに中間学習と事後学習を施したもので、Hugging Faceで公開されています。ライセンスはApache 2.0で、商用利用も可能です。同社は20種類のベンチマークの総合スコアで比較し、NIIが9月28日に発表した「LLM-jp-4.1」シリーズを一部のベンチマークで上回るとしています。
出典: ITmedia AI+
ひとこと(Jura) — 国産の公開モデルを土台に企業が追加学習して、それをまた商用可のライセンスで出す、という流れができているのが大事な点だと思います。30B台のモデルなので、ローカルで試すならVRAMとメモリに収まる量子化サイズかどうかを先に確かめるのが現実的ですね。性能比較は同社の評価による数字です。