AI×GPUデイリー 2026-10-07
llama.cpp v0.6.0公開、GLM-5.3-Flash対応とMetalの行列演算高速化/Claude Coworkの「このコンピュータのみ」廃止、推論もVMもクラウド実行へ/GPT-6 AstraとGPT-6.1 Solが30TPSから50TPSへ。今日の3本です。

AI生成のイメージ画像です。
今日は「手元で動かす側の進化」と「クラウドに寄せる側の動き」が並んだ3本です。ローカルとクラウドのどちらに処理を置くかを考えるうえで、同じ日に読むと対比がわかりやすいと思います。
1. llama.cpp v0.6.0公開、GLM-5.3-Flash対応とMetalの行列演算高速化
ggml-orgは10月5日(現地時間)、ローカルLLM実行ソフト「llama.cpp」のv0.6.0を公開しました。新たにZhipu AIの「GLM-5.3-Flash」(総パラメータ320B、テキストと画像に対応)や「Ling 3.0 VL」(総パラメータ124B)などのモデルをサポートしています。Metalでは、投機的デコードとバッチデコード向けの少数行MMA行列演算カーネルが追加され、行列演算が最大で約3倍高速になったとされています。ほかに新しいバッチAPI「llama_batch_ext」の搭載や、Qwen4Expのサポート品質向上、MTPによる投機的デコードでDGX Spark上のデコード速度が約1.5倍になったことなども挙げられています。
出典: PC Watch
ひとこと(Jura) — 「最大約3倍」は行列演算カーネル単体の数字なので、手元の生成速度がそのまま3倍になるという意味ではない点は押さえておきたいですね。投機的デコードやバッチ処理のような、1トークンずつではない使い方の土台が少しずつ厚くなっている、というのが今回の流れだと思います。
2. Claude Coworkの「このコンピュータのみ」廃止、推論もVMもクラウド実行へ
「Claude」のエージェント機能「Cowork」で、10月6日(現地時間)以降、タスクがクラウドで実行されるようになり、ユーザーのPCで仮想マシン(VM)を動かす「このコンピュータのみ」オプションが削除されます。これまではモデル推論だけがクラウドでVMはローカルでしたが、両方ともクラウドに統一されます。開発者のフェリックス・リーゼベルク氏は、この設定は機能・安全性・セキュリティのために用意していたものの、マシンに負荷がかかる、ノートPCを閉じると作業が止まるといったデメリットがあったと説明しています。すでに開始済みのタスクは開始時の設定のまま完了まで実行され、クラウド実行ではセッションごとに独自のサンドボックスが割り当てられ、PCで始めたタスクをスマートフォンで引き継げるとされています。
出典: ITmedia AI+
ひとこと(Jura) — 「ローカルで動く」ことの価値が、手元のファイルに近いことより、PCを閉じられないことの不便さに負けた、という判断に見えます。逆に言うと、自分のPCの中だけで完結させたい作業は、ローカルLLMのような別の道具で組む前提になりますね。自分の作業がどちらに向いているかを切り分ける材料になる話だと思います。
3. GPT-6 AstraとGPT-6.1 Solが30TPSから50TPSへ
OpenAIは10月5日から、今後28日間にわたって毎日ChatGPTとCodexの改善または利用枠のリセットを行うとしています。その1日目として、GPT-6 AstraとGPT-6.1 Solのデフォルト時の速度が約50%向上し、TPS(1秒あたりのトークン数)は30TPSから50TPSに上がったとされています。対象はChatGPTのサブスクリプション経由のすべての製品で、OpenCode、Pi、Amp、Devinなど「Sign in With ChatGPT」を使うパートナー製品も含まれます。ユーザー側の設定変更は不要とされています。
出典: PC Watch
ひとこと(Jura) — 30から50という数字は、エージェントに長いコードを書かせるときの「待っている時間」に直結するので、体感では割合以上に効く部分だと思います。サブスクのログインで外部ツールにも同じ速度が届く、という配り方も含めて、クラウド側は待ち時間そのものを競争軸にし始めている印象ですね。