AI×GPUデイリー 2026-10-13

Ollama v0.40.4のリリース候補、判断特化モデルとEmbeddingGemma 2向けにllama.cppを更新/Microsoft、Qwen3.5-9Bベースの判断特化モデル「Microsoft-Decision-1」/Microsoft、2nmのAIチップ「Maia 300」を発表。今日の3本です。

夜のデスクでPCとモニターの前に光る小さな立方体のAIモデルが置かれ、そこから4本に分かれた道のうち1本だけがオレンジ色に光り、奥のサーバーラックにAIチップが浮かぶ、判断特化モデルとAIチップを表した概念イラスト

AI生成のイメージ画像です。

今日は「判断特化モデル」をめぐる2本と、「クラウド側のAIチップ」が1本です。文章を書かずに選択肢の確率だけ返すモデルが、ローカルツールの対応とクラウドの提供開始の両方から出てきたのが面白い並びだと思います。

1. Ollama v0.40.4のリリース候補、判断特化モデルとEmbeddingGemma 2向けにllama.cppを更新

Ollamaのv0.40.4がリリース候補(v0.40.4-rc0、プレリリース)としてGitHubで公開されました。変更点の筆頭は、判断特化モデル(decision models)とEmbeddingGemma 2に対応するため、内部のllama.cppをb11521へ更新したことです。ほかに、推論ルートで検証済みのマニフェストと読み込み済みモデルを再利用するサーバー側の変更、MLXで投機的デコードのロールバック後に状態を詰め直す修正、Codexの/modelピッカーにインストール済みモデルを表示する変更が含まれています。

出典: Ollama(GitHub Releases)

ひとこと(Jura) — 現時点ではrc0で、正式版のv0.40.4ではありません。新しいモデルを試したい人以外は、正式版が出てから上げるくらいの温度感でよさそうですね。

2. Microsoft、Qwen3.5-9Bベースの判断特化モデル「Microsoft-Decision-1」

Microsoftは10月9日(現地時間)、文章を生成せず選択肢ごとの確率を返す判断特化モデル「Microsoft-Decision-1」を発表しました。AlibabaのオープンウェイトモデルQwen3.5-9Bを追加学習したもので、応答速度は2位の「H2O-Lightning-4B v1.1」の2.5倍、OpenAIの「GPT-6 Sol」の35倍とされています。価格は入力100万トークンあたり0.042ドルで出力は無料、TypeSafe AIの判断特化モデル「Jev」と同じ価格です。Microsoft FoundryとOpenRouterで提供が始まっています。

出典: ITmedia AI+

ひとこと(Jura) — Xboxの研究チームの社内事例では、品質を保ったまま14倍以上速く、コストは200分の1だったとされています。いずれもMicrosoft側の公称値です。分類や振り分けのように「答えの候補が決まっている処理」を、大きなモデルから外せるかどうかがこの種のモデルの使いどころだと思います。

3. Microsoft、2nmのAIチップ「Maia 300」を発表

Microsoftは10月12日、Azure向けAIアクセラレータの次世代品「Maia 300」を発表しました。コンピュートダイはTSMCの2nm(N2P)で製造され、288GBのHBM4(18TB/s)を搭載するチップレット構成で、TDPは950Wとされています。性能はMaia 200比でMXFP4が10.1POPSから13.8POPSに、FP8が5.1POPSから6.9POPSに向上し、1月に発表されたMaia 200から約9カ月での発表になります。データセンターへの導入は2027年から順次とされています。

出典: PC Watch

ひとこと(Jura) — Microsoftは、GPUと比べて1メガワットあたりで処理できるトークン数が40%増えるとしています。手元のPCに直接関わる話ではないですが、クラウドのAI推論の単価がどこで決まるかを考えるうえで、電力あたりの処理量を前面に出してきたのは押さえておきたいところですね。