AI×GPUデイリー 2026-10-18

DeepSeek、総552Bの「DeepSeek-V4.1-Flash-1017」をMITで公開/Tencent、AIの長期記憶を書き込む「Hy-Memory-30B-A3B」/RTX Spark搭載のASUS「ProArt P14」、128GBモデルは10月23日発売。今日の3本です。

ノートPCのキーボードの上に光るメモリの塊が立ち、上空の無数の立方体が細い光の筋を通ってそこへ流れ込むイラスト

AI生成のイメージ画像です。

今日は「大きなオープンモデルの更新」「記憶を担当する小さなモデル」「それを手元で動かす器」の3本です。モデル2本はどちらもClaude Opus 5との比較を掲げていますが、勝っている項目と負けている項目の両方が公表されているので、そこも含めて見ておくと実像がつかみやすいと思います。

1. DeepSeek、総552Bの「DeepSeek-V4.1-Flash-1017」をMITで公開

DeepSeekが10月17日(日本時間)、9月公開の前版を改良した「DeepSeek-V4.1-Flash-1017」を発表しました。総パラメータ552BのMoE型で、条件付きメモリ「Engram」などを含めた重みの合計は約763B、コンテキスト長は100万トークンです。DeepSeek公表の比較では、DeepSWE v1.1でClaude Opus 5の74.0に対し77.0と上回る一方、Terminal-Bench 4.0は42.3対51.8、HLEは42.6対56.3と下回っています。ライセンスはMITで、オープンウェイトはHugging FaceとModelScopeで公開されています。

出典: PC Watch / Hugging Face(モデルカード)

ひとこと(Jura) — 見出しの「Opus 5超え」はコーディングやエージェント系の一部指標の話で、ターミナル操作や推論の総合系ではまだ差がある、というのが公表値の読み方ですね。重みが約763Bあるので、手元で動かすというより、MITで自前サーバーやクラウドに置ける選択肢が増えたと見るのが現実的だと思います。

2. Tencent、AIの長期記憶を書き込む「Hy-Memory-30B-A3B」を公開

TencentのAI開発チームTencent Hunyuanが10月16日(日本時間)、AIエージェントの記憶の仕組みのなかで「会話から何を覚え、過去の記憶をどう更新するか」を判断する専用モデル「Hy-Memory-30B-A3B」を公開しました。総パラメータ30B、動くのは約3BのMoE型で、ライセンスはApache 2.0です。Mem0やMemOSなど4つのフレームワークでの平均は55.49で、Claude Opus 5の54.62を上回ったとされますが、Mem0上のLoCoMoでは59.54対69.47と下回っています。同日公開の「Hy Memory 2.0」はOpenAI互換のLLMを書き込み役に指定でき、このモデルとの組み合わせは必須ではありません。

出典: PC Watch / Hugging Face(モデルカード)

ひとこと(Jura) — エージェントの記憶を、会話する大きなモデルとは別の小さなモデルに任せる、という分業の形が面白いですね。アクティブ約3Bなら、記憶の書き込みだけをローカルに置いて、会話は別のモデルに任せる構成も考えやすい大きさだと思います。

3. RTX Spark搭載のASUS「ProArt P14」、128GBモデルは10月23日発売

PC Watchが、NVIDIAのArm系SoC「RTX Spark N1X」と128GBの統合メモリ(LPDDR5X-9400)を積んだ14型ノート、ASUS「ProArt P14」をレビューしました。128GBモデルは10月23日発売で119万8,000円、48GBモデルは94万9,800円で11月中旬以降の発売です。レビューでは約110GBがVRAMとして認識され、90GB以上ある3ビット量子化の大型モデルでコーディング速度は「20トークン/秒以上」だったとしています。一方、ProcyonのAIベンチマークはRTX 4070より低く、x64エミュレーションと、273GB/sというメモリ帯域が影響した可能性が高いと分析されています。

出典: PC Watch

ひとこと(Jura) — 「大きなモデルが載る」ことと「速く回る」ことは別物、というのがよく出ているレビューですね。容量はデスクトップのGPUでは届かない水準でも、帯域はRTX 4070の半分ほどなので、何を動かしたいかで向き不向きがはっきり分かれる器なんだと思います。執筆時点では標準ドライバしか使えなかったとのことなので、数字は今後変わる可能性もあります。

今日の小ネタ

  • Ollama v0.40.6 — GGUFにq2_0のテンソル型・ファイル型を追加。Windowsで親を失ったランナーが残らないようにする変更も入っています
  • llama.cpp b11714 — Web UIのモデル管理に、Hugging Face Hubのモデルを探してダウンロードできる「Discover」ビューを追加(設定で有効化。既定はオフ)