AI×GPUデイリー 2026-08-26
Qwen3.8-Flash-Nextが8月27日0時公開/NVIDIAがgamescomでDLSS 4.5とRTX Spark/AppleがM6とM5 Ultraを発表。今日の3本です。
今日は「次に来るオープンモデル」「ゲーム側のGPU新情報」「Mac側の新チップ」の3本です。
手元の環境を組み替える判断材料が、たまたま同じ日に並びましたね。
1. Qwen3.8-Flash-Next、8月27日0時に公開予定
Alibabaのモデル開発チームQwenが、次期「Qwen4」向けの新アーキテクチャを採用した「Qwen3.8-Flash-Next」を、日本時間8月27日0時に公開する予定です。
同モデルは次世代のQwen4アーキテクチャの上に構築されたマルチモーダルのMoE(Mixture-of-Experts)型モデルとされています。
MoEはモデル内部を役割の異なる多数の小さなネットワークに分け、入力ごとに必要なものだけを動かして計算量を抑える仕組みです。
Qwenは、今後登場する完全なQwen4ファミリーに開発者やユーザーが事前に対応できるよう、設計面の改良を先行公開すると説明しています。
パラメータ数とライセンスは記事執筆時点では不明で、「125B-A6B」説がXやRedditで主張されているものの公式の裏付けはなく、前例として「Qwen3.5-35B-A3B」(総パラメータ数350億、アクティブパラメータ数30億)があると紹介されています。
出典: PC Watch
ひとこと(Jura) — 数字の噂のほうが先に走っていますが、確定しているのは「Qwen4アーキテクチャの先行公開」という位置づけだけですね。
ローカルで動かす側にとって効いてくるのはアクティブパラメータのほうなので、総パラメータが大きくても即あきらめる話ではないと思います。
ライセンスが未確定なのも、公開後にまっさきに確認したい点ですね。
2. NVIDIA、gamescom 2026でDLSS 4.5とRTX Sparkの最新情報
NVIDIAが8月26日、ドイツ・ケルンで開催中のgamescom 2026に合わせてGeForce関連技術の最新情報を発表しました。
DLSS 4.5では第2世代TransformerモデルをRay Reconstructionにも導入し、時間方向の情報処理を細かく制御できるようになったほか、デノイザの改良で再構成を高速化し、空間情報認識の深化によりライティングの正確性を高めたとしています。
パストレーシング対応タイトルとして「007 First Light」(9月15日)と「CONTROL Resonant」(9月24日)が挙げられました。
今秋登場予定のWindows PC向けSoC「RTX Spark」については、1440pゲームで100fps、8K映像編集といった用途を掲げ、Electronic Arts、Embark Studios、カプコン、CD PROJEKT RED、KRAFTON、Riot Gamesなどが対応を表明しています。
AI技術「NVIDIA ACE」では、KRAFTONが「PUBG: BATTLEGROUNDS」向けに音声認識とSmall Language Modelを組み合わせた「Ally Duoモード」を開発中です。
出典: 4Gamer
ひとこと(Jura) — 面白いのは、ACEの例が「賢い会話AI」ではなく音声認識+Small Language Modelの組み合わせで出てきているところですね。
ゲーム内で動かす前提だと、モデルは小さいほうが現実的なので、当然といえば当然の設計だと思います。
ローカルで小型モデルを回している人の感覚と、ゲーム側の要件がだんだん近づいてきている印象ですね。
3. Apple、2nmのM6とクアッドダイのM5 Ultraを発表
Appleが8月25日、2nmプロセスで製造する新型プロセッサ「M6」と、同社初のクアッドダイアーキテクチャを採用した「M5 Ultra」を発表しました。
M6はCPU12コア(スーパーコア2基、高性能コア4基、高効率コア6基)とGPU12コアを備え、ユニファイドメモリは最大32GB、帯域幅は最大170GB/s(M5比10%高速)。
デュアル16コアNeural Engineの採用で、オンデバイスAIワークフローでのピーク演算性能はM5比で最大2倍とされています。
M5 UltraはM5 Maxチップ2基をUltraFusionでつなぎ、4つのダイを1つのプロセッサとして動作させる構成で、ダイ間帯域幅は4.4TB/s超、最大36コアCPUと最大80コアGPU、ユニファイドメモリは最大512GB、帯域幅1.2TB/s(M3 Ultra比50%高速)。
AI処理のピーク時GPU演算性能はM3 Ultra比で最大4.5倍としています。
M6は新型Mac mini、M5 Ultraは新型Mac Studioに搭載され、いずれも9月22日発売で、価格はMac miniが14万9,800円から、Mac Studioが41万9,800円からです。
出典: PC Watch(M6/M5 Ultra) / PC Watch(Mac Studio) / PC Watch(Mac mini)
ひとこと(Jura) — ローカルLLM目線で効くのは演算性能よりメモリのほうですね。
最大512GBのユニファイドメモリを1.2TB/sで扱えるとなると、VRAMに収まらないサイズのモデルをどう置くかという前提が変わってきます。
一方でM6側は最大32GBなので、Mac miniは「大きいモデルを載せる箱」ではなく常時動かす軽い推論の側、という住み分けになりそうだと思います。
二刀流でやるなら、この二極化を踏まえて役割を分けるのが素直ですね。
今日の小ネタ
- Ollama v0.33.0(タグは
v0.33.0-rc3)が公開。Claude Desktopのメニューから、個々のOllamaモデルをClaudeで使うかどうかを切り替えられるようになりました - llama.cpp v0.3.0 が登場。新しいDSA-ISWA KVキャッシュを伴う「dots3-note」マルチモーダルモデルへの対応やMTPサポートが入っています
- 開発元を伏せたステルスモデル「Ox Alpha」が米OpenRouterで無料公開され、一部の開発ツールでは利用シェア1位に。中国Z.aiの「GLM」系ではないかという見方が有力なうわさとして紹介されています